

4. 小 括 −Uターン者への処遇を整理する− 最後に、Uターン者への処遇を整理すると、半数以上の企業は中途採用の賃金格付けは同等経歴者と同水準としており、しかもUターン者の採用時の優遇措置は半数近くの企業は特別扱いをしていない。Uターン者にとって家族を伴った場合に重要となる持ち家取得の優遇措置や、単身赴任した場合の単身赴任手当の支給については企業はほとんど行っておらず、面接時の交通費支給、引越し費用の援助、社宅・寮の準備に留まっているにすぎない。 また、地場の水準と比べた企業の労働条件の水準の自己評価についても半数以上の企業が「平均並」としており、前節でみてきたように、Uターン者の採用に積極的な考えと実際の行動が一致していないことが裏づけられる。今後、企業はUターン者を惹きつけるためには、まず労働条件など企業体質の改善から始めることが課題となろう。 (田口和雄)
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